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次の図のような直方体 ABCD-EFGH があります。また、辺CD, EF, GC 上にそれぞれ点P, Q, R があり、DP = 8cm, PC = 12cm, EQ=4cm, CR =9cm が成り立っています。
( 単位はcm )
3点 P, Q, R を通る平面でこの直方体を切断し、切断したときにできる切り口の図形を X とします。
図形 X を前から見ると ( 面 ABFE に垂直な方向からみると )、面積が $228cm^2$ の図形に見えます。
図形 X を上から見ると ( 面 ABCD に垂直な方向から見ると ) 、面積が $266cm^2$ の図形に見えます。
このとき、次の問に答えなさい。
(1) 図形 X は何角形ですか。
(2) 直方体の高さ ( 辺 AE の長さ ) は何cmですか。
(3) 直方体の奥行き ( 辺 AD の長さ ) は何cmですか。
開成中学 2019年 算数入試問題より引用
図形Xの形
わかっている線から引く
まずは、問題文に提示されている 線PR を引きます。
面 CDHG 上に 線PR が引けました。ここで、立体図形 切断の基本!!
立体図形・切断の基本
切断する線は、平行な面に、平行線として現れる
$\triangle PRC$は 辺の長さが、$12 : 9 = 4 : 3$ の直角三角形です。
線PRと平行な線を引くために $4:\textcolor{red}{3}$ の$\triangle SEQ$ となる 点$\textcolor{red}{S}$ を置き、線$PR$と平行な線$\textcolor{red}{SQ}$を引きます。
イメージを膨らませて切る
この問題では、奥行きと高さはわかりませんので、大体のイメージで 点T と 点Uを作図します。
この図から、図形Xは 六角形 であることがわかります。
前から見た図を作図しましょう
まずは書いてみる
- 点Tは 辺AD上にあるので 前から見た時、点Dに重なって見えます
- 点Uは 辺FG上にあるので 前から見た時、点Gに重なって見えます
と… 書いてしまえば簡単なのですが、どうしても 人間の目(立体視)から見ると、正面から見ても 点T や 点U で曲がって見えてしまうという 錯覚が起きます。
真正面から カメラで撮った画像の面積を求める、という イメージができれば わかりやすいかもしれません。
- 問題文より 多角形TSQURP は $228cm^2$
- $\triangle{SEQ} = 3\times4\div2=6cm^2$
- $\triangle{PRC} = 12\times9\div2=54cm^2$
よって
$\begin{eqnarray}
&&\square{TEUC}\\\
&=& \square{ABFE}\\
&=& 228 + 6 + 54\\
&=& 288cm^2
\end{eqnarray}$
辺$AB = 8 + 12 = 20cm$ であるから、求める 辺AEの長さ (直方体の高さ)は
$\begin{eqnarray}
\overline{AE} &=& 228 \div 20\\
&=& \underline{14.4cm\dots(1)の答}
\end{eqnarray}$
上から見た図
わかるところを書いていく
- 点Sは、辺AE上にあるため、上から見た場合、点Aと重なって見えます
- 点Rは、辺CG上にあるため、上から見た場合、点Cと重なって見えます
(2)の問題と違うのは、線DT と 線BU の長さがわからないことです
立体切断問題の定石→辺を伸ばす
立体切断問題での定石である、切り取られた断面図の辺を伸ばします
計算に必要な情報だけ抜粋すると
面DCGHが含まれる 平面に注目
(2)の答えである $14.4cm$ も書き入れます。線$RG = 14.4 – 9 = 5.4cm$
相似形を見つけます
チョウチョ(リボン)の形から、
$\triangle LDP \sim \triangle RCP \sim \triangle RGN$
よって、
線$LD = 6cm$ , 線$GN = 7.2cm$
面AEHDが含まれる平面に注目
$\triangle SME \sim \triangle LMH$であるから
$\begin{eqnarray}
\overline{SE} \colon \overline{LH} &=& 3 \colon ( 6 + 14.4 )\\
&=& 3 \colon 20.4
=\overline{ME} \colon \overline{MH}
\end{eqnarray}$
$\begin{eqnarray}
\overline{ME} \colon \overline{EH} &=& 3 \colon (20.4 – 3)\\
&=& 3 \colon 17.4
\end{eqnarray}$
$\triangle LTD \sim \triangle SME$ であるから
$\begin{eqnarray}
\overline{TD} \colon \overline{MH} &=& \overline{TD} \colon 20.4\\
&=& \overline{LD} \colon \overline {LH}\\
&=& 6 \colon 20.4
\end{eqnarray}$
$\begin{eqnarray}\overline{TD} &=& 6\\
\overline{AT} &=& 17.4 – 6 = 11.4
\end{eqnarray}$
$\begin{eqnarray}
\overline{AT} \colon \overline{TD} &=& 11.4 \colon 6\\
&=&\fbox{19} \colon \fbox{10}
\end{eqnarray}$ ・・・式(1)
面HEFGが含まれる平面に注目
$\triangle GUN \sim \triangle HMN$ より
$7.2 \colon ( 7.2 + 20 ) = \overline{GU} \colon ( 3 + 17.4 )$
$\overline{GU} = (5.4)$
$\begin{eqnarray}
\overline{FU} &=& (17.4) – (5.4)\\
&=& (12)
\end{eqnarray}$
$\begin{eqnarray}
\overline{FU} \colon \overline{UG} &=& 12 \colon 5.4\\
&=& 20 \colon 9
\end{eqnarray}$
上から見た図に書き加えると
$\begin{eqnarray}
& &{\small 20\times\fbox{29}-\fbox{10}\times8\div2-\fbox{20}\times16\div2}\\
&{\small =}& {\small 266}
\end{eqnarray}$
$\fbox{1} = 0.7$
$\begin{eqnarray}
\therefore 辺AD(奥行き) &=& \fbox{29}\\
&=& 0.7\times29\\
&=& \underline{20.3cm \dots 答}
\end{eqnarray}$
まとめ
- 立体の切断は、平行な面には、平行な線を引く!!!
- 切り取った図形の辺を伸ばし、片っ端から相似を計算!!!
あくまでも、個人の解答例となりますので、答え 及び 解答は信頼できる塾等でご確認くださいますよう、よろしくお願い致します。