塾でよく習う8の倍数の見分け方と、より簡単な8の倍数の見分け方2つを解説します。
一般的な8の倍数の見分け方
8の倍数の見分け方
下(しも)三桁が8の倍数であるか調べる。
例題を一般論で解く
584216696 が8の倍数かどうか? を、計算しましょう。
下(しも)三桁 は 696 です。
この 696 が8の倍数であるか? は、わり算をしてあまりがあるかどうか? を計算します。
$$ 696 \div 8 = 87 $$
あまりなく、割り切れましたので、696は8の倍数。
よって、696が下(しも)三桁である元の数字 584216696 は 8の倍数となります。
一般論の解説 どうして、そうなるのか?
元の数字を $abcdef$ とします。
※ 数学で $abc$ と書くと $a \times b \times c$ の事を意味しますが、今回は $a$百(ひゃく)$b$十(じゅう)$c$ の事を表します。
$$ \begin{eqnarray}
abcdef &=& abc \times 1000 + def \\
&=& \textcolor{blue}{abc \times 8 \times 25} + \textcolor{red}{def}
\end{eqnarray}$$
よって、$\textcolor{blue}{abc \times 8 \times 25}$ は 8 の倍数であるため、$\textcolor{red}{def}$ が 8 の倍数であれば、元の数字 $abcdef$ は 8 の倍数となる。
しかし… 下三桁が 8 の倍数かどうか? を計算するのも、めんどくさいですね… なので、さらに 簡単な方法を解説します
簡単!! 8の倍数の見分け方
簡単な、8の倍数の見分け方
- 下(しも)三桁を2で割る。(割れなければ 8の倍数ではない)
- 2で割った答え(商)の下(しも)二桁が4の倍数であれば、元の数字は8の倍数。
例題を簡単な方法で解く
584216696 が8の倍数かどうか? 計算しましょう。
下(しも)三桁 は 696 です。
$$ 696 \div 2 = 348 $$
348 の下二桁である 48 は、4の倍数であるから、584216696 は、8の倍数。
これなら、暗算できると思いますよ。
簡単方法の解説 どうして、そうなるのか?
元の数字を $abcdef$ とします。
※ 数学で $abc$ と書くと $a \times b \times c$ の事を意味しますが、今回は $a$百(ひゃく)$b$十(じゅう)$c$ の事を表します。
$$ \begin{eqnarray}
abcdef &=& abc \times 1000 + def \\
&=& \textcolor{blue}{abc \times 8 \times 25} + \textcolor{red}{def}
\end{eqnarray}$$
よって、$\textcolor{blue}{abc \times 8 \times 25}$ は 8 の倍数であるため、$\textcolor{red}{def}$ が 8 の倍数であれば、元の数字 $abcdef$ は 8 の倍数となる。
ここまでは、一般論と同じです。あとは、$\textcolor{red}{def}$ が 8の倍数であるかどうか? の計算方法となります。
ポイント!
8の倍数とは、8 x □ = 2 x 4 x △
つまり、$\textcolor{red}{def}$ が 8の倍数であるかどうか? とは、$\textcolor{red}{def}$ を 2で割って さらに 4で割って、あまりが無い。事になります。
間違いやすい! 8の倍数の見分け方の間違った考え方
6 の 倍数の見分け方は、$ 6 = 2 \times 3 $ から、2 の倍数の見分け方 と 3 の倍数の見分け方 の両方を満たしている事です。
では、8 の倍数は$ 8 = 2 \times 4 $から、2 の倍数の見分け方 と 4 の倍数の見分け方 の両方を満たしてれば良いのでしょうか?
2 と 4 の倍数の見分け方
2の倍数の見分け方
一の位が2の倍数であれば、その数字は2の倍数である。
4の倍数の見分け方
下二桁が4の倍数であれば、その数字は4の倍数である。
324 は8の倍数?
もし、 8の倍数の見つけ方が 2の倍数の見つけ方と4の倍数の見つけ方両方を満たしていれば良いのであれば
- 324の一の位は 2の倍数。よって、324は2の倍数
- 324 の 下二桁は 24。24 は 4の倍数。よって、324は4の倍数
- 324 は 2の倍数であり、4の倍数であるので 8の倍数である。
では、本当に 324 は 8の倍数でしょうか? 実際に計算してみると、
$$ 324 \div 8 = 40 … 4 $$
あまりが出てしまい、324 は 8 では割りきれません。つまり、324 は、8の倍数ではありません。
では、どうして 間違いなのでしょうか?
なぜ 8の倍数は、2の倍数と4の倍数では判別できないのか?
- 324 が2の倍数とは、式で表すと $324 \div 2 = 162$
- 324 が4の倍数とは、式で表すと $324 \div 4 = 81$
ここで、① は ② の中に含まれています。つまり、② で 4の倍数であることがわかれば、324は 2の倍数でもあります。
$$ 324 \div 4 = 324 \div 2 \div 2$$
2で2回割っていますよね。つまり、4で割り切れるという事は 2で割り切れる事を すでに含んでいるのです。
言い換えれば、4で割り切れると証明できている数字は、必ず 2で割り切れるのです。
つまり、4で割り切れる数字を あらためて、2で割り切れる事を証明したところで、何も 新しい発見はありません。
よって、8の倍数の見つけ方が 2の倍数の見つけ方と4の倍数の見つけ方両方を満たしていれば良いという 仮定 は間違っています。
まとめ
簡単な、8の倍数の見分け方
- 下(しも)三桁を2で割る。(割れなければ 8の倍数ではない)
- 2で割った答え(商)の下(しも)二桁が4の倍数であれば、元の数字は8の倍数。
注意点
8の倍数は 2と4 の倍数だから、見分け方も「2の倍数の見分け方」と「4の倍数の見分け方」の両方を満たしてたら良い!! は、間違え。