2015年度 愛光中学校 算数 【4】割合の解答解説です。
問題文は、四谷大塚ドットコム 中学入試過去問データベース よりダウンロードして下さい。
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元の水量を求める
水の量を求める
A,B,C の底面積の比が$6:10:15$ であり、最後に、水の高さが同じになった。と問題文にありますので、移した後のA,B,Cの水の量は
$6:10:15$
比のカタチですとイメージしにくいので、水の量を
$\textcolor{red}{A=6, B=10, C=15}$ とします
また、この水の総量 $A+B+C=\textcolor{red}{31}$ は変わることがありません。(確かめ算に使います)
1つずつ、時間を巻き戻す その1
$A=6, B=10, C=15$ になる前に、Bの水 $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 6}$ をCに移しています。
つまり、移した後の$B=10$の水は、移す前に比べ
$1-\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 6}=\frac{\displaystyle 5}{\displaystyle 6}$になっています
よって、移す前のBの水の量は
$10\div\frac{\displaystyle 5}{\displaystyle 6}=12$
BからCへ移した量は
$12-10=2$
よって、この時点の水の量は
$A=6$
$B=12(=10+2)$
$C=13(=15-2)$
1つずつ、時間を巻き戻す その2
先ほどの水の量、$A=6, B=12, C=13$ になる前に、Aの水を$\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 5}$ をBに移しています。
つまり、移した後の$A=6$の水は、移す前に比べ
$1-\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 5}=\frac{\displaystyle 4}{\displaystyle 5}$になっています
よって、移した後に$6$となったことより、移す前のAの水の量は
$6\div\frac{\displaystyle 4}{\displaystyle 5}=\frac{\displaystyle 15}{\displaystyle 2}=7.5$
また、AからBに移した量は
$7.5-6=1.5$
よって、元々の水の量は
$A=7.5(=6+1.5)$
$B=10.5(=12-1.5)$
$C=13$
整数の比のカタチにする
先ほどの計算より、$A:B:C=7.5:10.5:13$なので
$\begin{eqnarray}
A:B:C&=&7.5:10.5:13\\
&=&\underline{15:21:26\dots Ans.}
\end{eqnarray}$
実際の計算方法
実際には、上記のような考え方をするのですが、計算途中で ややこしく感じるかもしれません。なので、実際に計算する場合には、表を書くことによって、頭を整理しながら進めていきます。
最後の水の量を書く
A | B | C |
6 | 10 | 15 |
問題文より、最後の水の量はこの表のようになります。
時間を巻き戻す
A | B | C |
6 | 10 | 15 |
6 | $10\div\frac{5}{6}=12$ | 13 |
計算を行い、移す前のBの水の量は 12 であり、12-10=2 を Cに移した(Cが増えた)事がわかります。
よって、Cが2だけ増える前は、15-2=13 の水の量であったことがわかります。
さらに時間を巻き戻す
A | B | C |
6 | 10 | 15 |
6 | 12 | 13 |
$6\div\frac{4}{5}=7.5$ | 10.5 | 13 |
計算を行い、移す前のA水の量は 7.5 であり、7.5-6=1.5 を Bに移した(Bが増えた)事がわかります。
よって、Bが1.5だけ増える前は、12-1.5=10.5 の水の量であったことがわかります。
確かめ算をする
最後の水の量の合計は $A+B+C=6+10+15=31$
計算をした、最小の水の量の合計は $A+B+C=7.5+10.5+13=31$
よって、確かめ算第一段階はOKです。
そして、この答えを使って、問題文の通りにやってみましょう。
A | B | C | |
最初 | 7.5 | 10.5 | 13 |
Aの$\frac{1}{5}$をBに移す | $7.5\times\frac{1}{5}$ $=1.5$ $7.5-1.5$ $=6 $ | $10.5+1.5$ $=12$ | 13 |
Bの$\frac{1}{6}$をCに移す | 6 | $12\times\frac{1}{6}$ $=2$ $12-2$ $=10$ | $13+2$ $=15$ |
最終 | 6 | 10 | 15 |
よって、確かめ算をしても、あっていますので、最初の A,B,C の水の量の比は、
$\begin{eqnarray}
A:B:C&=&7.5:10.5:13\\
&=&15:21:26
\end{eqnarray}$
であることがわかります。
まとめ
一つ一つの計算は、単純ですが
- 計算間違えをしない
- 表などを利用して、頭を整理する
事が重要です