2015年度 愛光中学校 算数 【4】(2)割合の解答解説です。
問題文は、四谷大塚ドットコム 中学入試過去問データベース よりダウンロードして下さい。
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(1)の解き方のおさらい
問題の前半部分、[Link](1)の解説を先に読んで下さい。
(2)の解説では、線分図を使わず、受験本番で行う表を使った解法を紹介します。
表を使って整理する
表を書くことによって、頭を整理しながら進めていきます。
最後の水の量を書く
最終的に水の量は等しくなりました。求める答えは「水の高さの比」です。
底面積の比は$6:10:15$ですので、今後の計算が楽になるように、最終の水の量は等しくそれぞれ$\textcolor{red}{30}$とします。
※ $(6, 10, 15)$の最小公倍数である、$30$を利用。
A | B | C |
30 | 30 | 15 |
ひとつ前に戻す
Bに入っている水の $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 6}$を C に移した結果、Bの水の量が 30になったので、移す前のBの水の量は、
$30\div(1-\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 6})=36$
つまり $36-30=6$ の分だけ、BからCへ移ったので、移す前のCの水の量は
$30-6=24$
A | B | C | |
最終 | 30 | 30 | 30 |
移す前 | 30 | $30\div(1-\frac{1}{6})$ $=36$ | $30-6$ $=24$ |
さらに時間を巻き戻す
Aに入っている水の量の$\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 4}$をBへ移した後に、水の量が$A=30$となったので、移す前のAの水の量は
$30\div(1-\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 4})=40$
つまり $40-30=10$ の分だけ、AからBへ移ったので、移す前のBの水の量は、
$36-10=26$
A | B | C | |
移した後 | 30 | 36 | 24 |
移す前 | $30\div(1-\frac{1}{4})$ $=40$ | $36-10$ $=26$ | 24 |
更に前
Cに入っている水の量の$\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 5}$をBへ移した後に、水の量が$C=24$となったので、移す前のCの水量は
$24\div(1-\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 5})=30$
つまり $30-24=6$ の分だけ、CからBへ移ったので、移す前のBの水の量は、
$26-6=20$
A | B | C | |
移した後 | 40 | 26 | 24 |
移す前 | 40 | $26-6$ $=20$ | $24\div(1-\frac{1}{5})$ $=30$ |
一番最初
Cに入っている水の量の$\frac{\displaystyle 2}{\displaystyle 7}$をAへ移した後に、水の量が$C=30$となったので、移す前のCの水の量は
$30\div(1-\frac{\displaystyle 2}{\displaystyle 7})=42$
つまり $42-30=12$ の分だけ、CからAへ移ったので、移す前のAの水の量は、
$40-12=28$
A | B | C | |
移した後 | 40 | 20 | 30 |
最初の状態 | $40-12$ $=28$ | 20 | $30\div(1-\frac{2}{7})$ $=42$ |
一番最初の水の高さの比
ここまでの計算で、最初の水の量は、$A:B:C=28:20:42$であることがわかります。答えとして必要なのは、水の高さの比ですので、計算しましょう。
水の量の比は、$A:B:C=28:20:42$
ABCの底面積の比は、$6:10:15$
よって、ABCの水の高さの比は、水の量をそれぞれの底面積で割って
$\begin{eqnarray}
A:B:C&=&\frac{\displaystyle 28}{\displaystyle 6}:\frac{\displaystyle 20}{\displaystyle 10}:\frac{\displaystyle 42}{\displaystyle 15}\\
&=&\underline{35:15:21\dots Ans.}
\end{eqnarray}$
3. まとめ
しっかりと、計算ができれば難しくない問題です。
最初に、同じ水の量なので全て1とする。としてしまうと、水の移る量が分数となり計算がしづらくなります。そこで、最小公倍数である 30 を水の量として定義できるかどうか? が 差のつくポイントかと思います。