2015年度 愛光中学校 算数 【1】(5) 旅人算の解答解説です。
問題文は、四谷大塚ドットコム 中学入試過去問データベース よりダウンロードして下さい。
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A君とB君の速さの比を先に求める
問題文を整理する
- A君 と B君が4350mの距離を、反対方向から歩いて30分で出会う。
- A君が7歩で歩く距離 を B君が5歩で歩く。
- A君が3歩あるく時間と、B君が2歩あるく時間は一緒。
解答すべき内容を確認する
- A君とB君との速さの比を求める
- A君の具体的な速さを求める
小問は最終問題へのヒント集
いきなり、A君の速さを求めよ。という問題だった場合、難易度が1ランク上がります。
ですが、その前に、A君とB君の速さの比を求めなさい。とヒントを出してくれています。
問題の前半
問題文を線分図に整理すると
A君とB君の速さの合計は
$4350\div30=145m/m$
ですが、この図からはA君とB君の速さの比は計算することが出来ません。
1歩の長さ
A君が7歩で歩く距離 を B君が5歩で歩く
A君の7歩・B君の5歩の長さ を 1 とすると、
- Aの1歩の長さは $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 7}$
- Bの1歩の長さは $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 5}$
(Aの1歩の長さ):(Bの1歩の長さ)= $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 7}: \frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 5} = 5:7$
比の問題に慣れていれば、歩数と1歩の長さは逆比になっているので、$5:7$であることは、計算をしなくともすぐ分かるかと思います。
1歩あるくのにかかる時間
A君が3歩あるくのと、B君が2歩あるくのは同じ時間
ここでも、逆比を利用して
(Aの1歩の時間) : (Bの1歩の時間) = $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}: \frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 2}=2:3$
全ての材料は出尽くしました
- (Aの1歩の長さ) : (Bの1歩の長さ) = $5:7$
- (Aの1歩の時間) : (Bの1歩の時間) = $2:3$
では、A君とB君の速さの比はいくつでしょうか。
わかりづらいので、わかりやすくするために具体化していきます。
(Aの1歩の長さ) :(Bの1歩の長さ) =5:7を具体化
- Aの1歩の長さ = 5m
- Bの1歩の長さ = 7m
(Aの1歩の時間) :(Bの1歩の時間) =2:3を具体化
- Aの1歩の時間 = 2秒
- Bの1歩の時間 = 3秒
具体化より A君とB君の速さを計算
- A君の速さは、5m進むのに2秒かかるから、 $5\div2=\frac{\displaystyle 5}{\displaystyle 2}m/s$
- B君の速さは、7m進むのに3秒かかるから、$7\div3=\frac{\displaystyle 7}{\displaystyle 3}m/s$
- (A 君の速さ) : (B君の速さ) = $\frac{\displaystyle 5}{\displaystyle 2}:\frac{\displaystyle 7}{\displaystyle 3}=15:14$
よって、答え. (A 君の速さ) : (B君の速さ)$=15:14$
A君の具体的な速さ
最初に計算した、A君とB君の速さの合計は
$4350\div30=145m/m$
先ほどの速さの比を求めたので、それを使ってA君の速さを求めると
$145\times$ $\frac{\displaystyle 15}{\displaystyle 15+14}=\underline{75m/m\dots Ans.}$
3. まとめ
旅人算の問題かと思わせておいて… 実は比の理解力を測る問題でした。
比は中学受験算数では重要項目となりますが、抽象的な分野のため苦手にしているお子さんも多いと思います。その場合、とりあえずの数値を使って具体化すると理解がし易いと思います。