2015年度 愛光中学校 算数 【1】(9) 面積の解答解説です。
問題文は、四谷大塚ドットコム 中学入試過去問データベース よりダウンロードして下さい。
ログインが必要ですが、簡単な入力のみでログイン可能です。
適当に長さを決める
問題文からの情報
これだけを見ると、AEやAHの長さの組み合わせは、無限にあるように感じます。また、29 と 17 が素数であり、辺の長さがどれくらいなのか? も想像がしづらい問題です。
適当に決める
例えば、この図形、縦横の長さが以下の図であったらどうでしょう?
問題文の条件、四角形$AEIH=29cm^2$・四角形$IFCG=17cm^2$ に当てはまります。
しかし、問題の図はどう見ても、$AE=EB=1cm$には見えません。こんな 適当で良いのでしょうか??
問題文で示されているのは、
- ABCD が長方形
- 四角形$AEIH=29cm^2$
- 四角形$IFCG=17cm^2$
- HFはADに垂直
- EGはDCに垂直
以上 の 5点ですので、この5つの条件に当てはまっていれば、AE と EB の長さが等しくても等しくなくても、何cmでも問題ありません。
それぞれを計算
四角形EFGH
対角線が直角に交わっている四角形ですので、面積 = (対角線)×(対角線)÷2
$(29+17)\times(1+1)\div2=46cm^2 \cdots(1)$
三角形AFG
求める$\triangle AFG$は、$\Box ABCD$から、$\textcolor{blue}{\triangle ABF}$・$\textcolor{green}{\triangle AGD}$・$\textcolor{orange}{\triangle CGF}$を引いて求めます。
$\begin{eqnarray}
&&(29+17)\times(1+1)-\bigl\{29\times2\div2+(29+17)\times1\div2+17\div2\bigl\}\\
&=&92-(29+23+8.5)\\
&=&31.5cm^2 \cdots(2)
\end{eqnarray}$
三角形CHE
求める$\triangle CHE$は、$\Box ABCD$から、$\textcolor{orange}{\triangle AEG}$・$\textcolor{blue}{\triangle BCE}$・$\textcolor{green}{\triangle CDH}$を引いて求めます。
$\begin{eqnarray}
&&23-\bigl\{29\div2+(29+17)\times1\div2+17\times2\div2\bigl\}\\
&=&92-(14.5+23+17)\\
&=&37.5cm^2 \cdots(3)
\end{eqnarray}$
四角形EFGHと三角形AGFの面積の差
(1), (2) を利用して、
$46-31.5=14.5cm^2$
三角形AGFと三角形CHEの面積の差
(2), (3)を利用して、
$37.5-31.5=6cm^2$
3. まとめ
ポイント
条件に当てはまるように、大胆に数値を当てはめて解きましょう。
問題文に書かれている図は、絶対ではありません。

と、書いてあれば、この三角形は30°・60°・90°の三角定規です。当たり前に思うかもしれませんが、実は、この図に描かれている三角形は、正確には35°・55°・90°の三角形であり、三角定規ではありません。
ですが、問題文で与えられている条件は
- 三角定規である
- 30°・60°・90°の三角形である
の2点ですので、実際の図が35°・55°・90°の三角形が描かれてあったも、30°・60°・90°の三角定規の三角形として読み取ります。
そんな馬鹿な… と、お思いかもしれませんが、問題文の図形をあまりにも正確に書きすぎると、「実測」をすることで計算をしなくとも答えがわかってしまうかもしれません。
ので、問題文に書かれている図は、絶対ではない。事も 頭に入れておきましょう。
※ もちろん、完全に正確な図での出題もあります。