高さの分からない円すい展開図!どうやって立体の体積を求めるの?

次の展開図から出来る円すいの体積を求めなさい
円すい
知りたがり
円すいの体積は、底面積 ✕ 高さ ÷ 3
エッ… 高さがわからない…
算数パパ
高さの求め方を解説するよ
[PR]

円すいの体積の公式

まずは、円すいの体積の公式から見ていきましょう。

円すいの体積の公式


円すい
底円の半径をr、高さをhとすると 上図の円錐の体積は
$$\begin{eqnarray}
\textcolor{red}{\textbf{体積} V}&=&\textbf{底面積}\times\textbf{高さ}\times\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}\\
&=&\textcolor{red}{r\times r\times3.14\times h\times\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}}
\end{eqnarray}$$

公式を利用した解答

展開図から、円すいを作る

展開図を組み立てて、できる円すい

円すい

このままでは、高さが無いので、円すいの体積を求めることが出来ません

高さは、赤い直角三角形に注目する

円すい

この円すいの赤い部分に注目します。
この直角三角形を見て、高さが分かりますか?

円すい

これは、中学受験によく出てくる 直角三角形ですので、数値を覚えてください。答えは

円すい

ピタゴラスの定理からも求めることが出来ます

$$\begin{eqnarray}
5\times5-3\times3&=&16\\
16&=&4\times4\\
\therefore &&\underline{4 cm \dots Ans.}
\end{eqnarray}$$

公式に代入

円すい

公式 $\textcolor{red}{\textbf{体積} V=\textbf{底面積}\times\textbf{高さ}\times\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}}$より

$3\times3\times3.14\times4\times\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}=\underline{37.68 cm^3 \dots Ans.}$

中学受験算数によく出る直角三角形のおさらい

詳しくは、[Link]三平方(ピタゴラス)の定理を証明♪中学受験算数で出る!!直角三角形はコレだ♪で解説をしています。

三角定規 の 直角三角形

三角定規の長さの比

$\sqrt{2}$及び $\sqrt{3}$は参考程度です。
三角定規の直角三角形よく出題されますので、角度も含めて覚えておいてください

知ってて損はない 直角三角形

中学受験に出題される直角三角形

1/3を かける 意味を考える

いつも、このサイトでは、公式を覚えるのではなく、意味を理解して下さい と言っていますが…

円すいの体積の公式に関しては、覚えて下さい!!

同じ底面積の円柱の$\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}$になるというイメージを持って欲しいのですが…

なぜ$\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}$??と言われても、小学生に向けては説明が難しいです。

参考までに、積分が分かる Papa & Mama 向けに解説します

積分から円すいの体積を求める

底面の半径 $r$ , 高さが $h$ である円すいを求める時に、$y = ax$ グラフを 考える。

円すいの体積(積分)

このグラフを $x$軸を中心に回転させると

円すいの体積(積分)

$0\leqq x\leqq h$の範囲において、底面の半径が$ah$、 高さが$h$である円すいとなる。
高さ$x=h$の時、底面の面積$S_{bottom}$ は

$S_{bottom}=\pi(ah)^2$

となり、求める円すいの体積は、$S_{bottom}$を $0\leqq x\leqq h$ の範囲で定積分すると求められる。
よって 求める円すいの体積 V は

$$\begin{eqnarray}
V&=&\int_0 ^h \pi(ax)^2 dx\\
&=&\left[ \frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}\pi a^2x^3\right]^h_0\\
&=&\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}\pi a^2h^3\\
&=&\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}\pi (ah)^2\cdot h
\end{eqnarray}$$

ここで、底面積は$\pi (ah)^2$、高さは$h$であるから

$\textcolor{red}{\textbf{体積} S = \frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}\times \textbf{底面積} \times \textbf{高さ}}$

この 積分した時に出来る $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}$ が、円すい体積公式の $\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 3}$ の正体です

[PR]