三平方の定理・ピタゴラスの定理 とは?
定理
a ✕ a + b ✕ b = c ✕ c (小学生向け)
大人向け ピタゴラゴラスの定理の証明
面積図を使った証明
元となる△abcと合同の三角形を4つ 大きな正方形が出来るよう、図のように並べます。
ここで、大きな正方形は、一辺の長さが $( a + b )$であるから、正方形の面積 $\textcolor{blue}{S_1}$ は、
$\textcolor{blue}{S_1} = ( a + b )^2$
また、$\triangle abc$の面積 $\textcolor{red}{S_2}$は、
$\textcolor{red}{S_2} = \frac{\displaystyle ab}{\displaystyle 2}$
真ん中の 正方形の面積 $\textcolor{green}{S_3}$は、
$\textcolor{green}{S_3} = c^2$
大きな正方形 $\textcolor{blue}{S_1}$ は、三角形$\textcolor{red}{S_2}$ 4つと 真ん中の正方形 $\textcolor{green}{S_3}$との合計でも求めることが出来ます。
$$ \begin{eqnarray}
\textcolor{blue}{S_1} &=& 4\textcolor{red}{S_2} + \textcolor{green}{S_3} \\
\textcolor{blue}{( a + b )^2} &=& 4\times\textcolor{red}{\frac{\displaystyle ab}{\displaystyle 2}} + \textcolor{green}{c^2} \\
a^2 + 2ab + b^2 &=& 2ab + c^2 \\
\therefore a^2 + b^2 &=& c^2
\end{eqnarray} $$
よって、ピタゴラゴラスの定理 $a^2 + b^2 = c^2$が導き出されました。
小学生が導き出す 手助け問題
大学入試制度改革によって、中学受験においても「自ら考える力」が試される問題が増えています。
ピタゴラゴラスの定理は、小学校では習いませんのでピタゴラ定理を知らないと解けない問題は 最難関中学校以外では出題されません。
ですが、問題で詳しく説明しながら最終的にピタゴラゴラスの定理を自分で導くような問いかけに対して、対応できる力が試されています。

(1) 三角形ABCの面積は 何平方cm ですか。
(2) 三角形ABCと合同の三角形4つを使って正方形CDGIを作りました。この正方形CDGIの面積は何平方cm ですか。

(3) 角BAHは何度ですか。
(4) 四角形ABFHの面積は 何平方cm ですか。
(5) 辺ABの長さは 何cm ですか。
(6) $AB \times AB = 4 \times 4 + 3 \times 3$が成り立っていることを 確かめよ
(1) 三角形ABCの面積
$4\times3\div2 = \underline{6 cm^2 \dots Ans.}$
(2) 正方形CDGIの面積
$\triangle BDF, \triangle FGH, \triangle FGH$は$\triangle ABC$と合同であるから、正方形CDGIの一辺の長さは、
$4 + 3 = 7$
よって、求める正方形CDGIの面積は、
$7 \times 7 = \underline{49 cm^2 \dots Ans.}$
(3) ∠BAHの角度
$\triangle ABC$ と $\triangle HAI$ は合同であるので、
$\angle ABC = \angle HAI$
$\triangle ABC$ の内角の和は$180^\circ$であるから
$\angle ABC + \angle BAC + \angle ACB = 180^\circ$
$\angle ACB = 90^\circ$ より
$\angle ABC + \angle BAC = 90^\circ$
図の赤い丸に注目すると、
$\angle BAC + \textcolor{red}{\angle HAI} + \angle BAH = 180^\circ$
$\textcolor{red}{\angle HAI} = \textcolor{blue}{\angle ABC}$ より
$\angle BAC + \textcolor{blue}{\angle ABC} + \angle BAH = 180^\circ$
$90^\circ + \angle BAH = 180^\circ$
$\therefore \underline{\angle BAH = 90^\circ \dots Ans.}$
(3) 四角形ABFHの面積
四角形ABFHの面積は、大きな正方形CDGI から、三角形4つを引くことで求めることが出来る。
- 三角形の面積は (1) より $6 cm^2$
- 大きな正方形の面積は (2) より $49 cm^2$
よって、求める 緑色の正方形の面積は
$49 – 6 \times 4 = \underline{25 cm^2 \dots Ans.}$
(5) 辺ABの長さ
正方形ABFHの面積は、(4)より $25 cm^2$ であるから、正方形の一辺の長さは $5cm (5 \times 5 = 25)$である。
よって、求める $\triangle ABC$ の 辺AB の長さは $5 cm$
(6) ピタゴラ定理の確認
(4)より $AB = 5$ であるから
$AB \times AB = 5 \times 5 = 25$
また$4 \times 4 + 3 \times 3 = 25$より
$AB \times AB = 4 \times 4 + 3 \times 3$ が成り立つ。
問題を通した ピタゴラゴラスの定理の理解
この問題を通して、どんな三角形でも同じ図を使って辺AB求めることが出来る事を理解してほしいと思います。
数学では、一般論として証明しなければなりませんが、小学生には「あぁ~ そうなるんだぁ」で十分だと思っています。
中学受験に出る 直角三角形
中学受験では ルート $\sqrt{}$ を使いませんので、出題される直角三角形は だいたい 決まっています。
三角定規 の 直角三角形
$\sqrt{2}$及び $\sqrt{3}$は参考程度です。
三角定規の直角三角形は よく出題されますので、角度も含めて覚えておいてくださいね♪
知ってて損はない 直角三角形
中学受験ですので、三辺の辺の比が整数となる直角三角形がよく出題されます。
左側の $\textcolor{red}{3:4:5}$ の 三角形は超頻出なので、覚えておいて欲しいですが、他の2つは そんなのもあるんだぁ~ 程度で良いかなぁ と 思います。
今回のエントリ、長くなりましたが、Papa & Mama が小学生に 三平方の定理・ピタゴラスの定理を説明するのに、役に立てば 幸いです♪”