算数の食塩水は理科と違う
算数で出題される食塩水の問題は、算数の問題です!!
って、同じことを繰り返し言っているだけなので、「どういう意味??」と思うかもしれませんが、算数の問題では塩は全部溶けると考えます。
つまり、理科では 水の温度によっては、塩は溶けきらないこともありますが、算数では全て溶けます。
特に、小6から受験勉強を始めて、色々と詰め込んでいるお子さんだと、算数と理科の食塩水の違いが分からなくなるみたいです…
まずは、スタンダードな解き方から見ていきましょう。
食塩の重さに注目
合わさった食塩の重さを計算
6% の食塩水 200g に含まれている 食塩の重さは
$$ 200 \times 6\% = 200 \times 0.06 = 12 \ \ (g)$$
11% の食塩水 300g に含まれている 食塩の重さは
$$ 300 \times 11\% = 300 \times 0.11 = 33 \ \ (g)$$
よって、合わさった食塩水に含まれる食塩の重さは
$$ 12 + 33 = 45 \ \ (g)$$
合わさった食塩水全体の重さは $200 + 300 = 500 \ \ (g)$であるため、求める食塩水の濃度は、
$$ 45 \div 500 \times 100 = \underline{9 \ \ (\%) … Ans.}$$
つまり、塩の重さと 水の重さを足した、食塩水の全体の重さに対して、塩の割合がいくらか? が、食塩水の濃度となります。
さて、つぎに もっと簡単に、もっとスピーディーに解く、スーパー天秤法で見てみましょう!!
食塩水問題のスーパー天秤法での解法
スーパー天秤法のやり方を順を追って説明します。
濃度の直線を描く
食塩水の重さを 「重り」のように吊るす
6% 側に 200g ・ 11% 側に 300g の重りを吊るします。
問題文にある 6%の食塩水200g、11%の食塩水300gをスーパー天秤化しました。
天秤がつりあうのは??
スーパー天秤法の名前の由来にもなりますが、この天秤がつりあう支点を考えましょう。食塩水の濃度は一旦無視します。
天秤がつり合う
① (左の腕の長さ) × (左の重さ) = (右の腕の長さ) × (右の重さ)
② (左の重さ) : (右の重さ) = (右の腕の長さ) : (左の腕の長さ) ★逆比の関係★
今回は、②の公式を使って、重さの比が $ 200 : 300 = 2 : 3 $なので、腕の長さの比は重さの逆比である、$3 : 2$となります。
これは、①の公式に代入しても成り立ちます。$3 \times 200 = 2 \times 300 = 600$
濃度の直線を描く
ここでは濃度に注目します。※重さは無視します。
線分図の長さは左が6、右が11ですので、$11 \ – 6 = 5 \ \ (\%)$
この 5% を 3 : 2 に分けるので、左の腕の長さは3、右の腕の長さは2となります。
よって、求める濃度は
$$ 6 + 3 = 9 \ \ (\%) もしくは 11 \ – 2 = 9 \ \ (\%)$$
なれた時の解答例
濃度と重さを書いて、そのつりあう比を書きます。
図より
$$6 + (11 – 6) \times \frac{3}{3 + 2} = \underline{9 \ \ (\%) … Ans.}$$
なぜ、スーパー天秤法が使えるの?
使い慣れると便利で簡単なスーパー天秤法ですが、どうして このような計算ができるのか? 面積図を使って考えましょう。
元々の食塩の量を面積図にする
底辺を食塩水の重さ。高さを濃度として面積図を書きます。
ここで
- 左側の長方形の面積は6%食塩水200gに含まれている食塩の量
- 右側の長方形の面積は11%食塩水300gに含まれている食塩の量
を表しています。
混ぜた食塩水の面積図
混ぜて出来た食塩水の、食塩の総量は面積図で表すと
となりますが、 2つの食塩水を混ぜて出来た食塩水が、ある部分が6% で ある部分が11% という事はあえりません。均等に混ざり、同じ濃度となるはずです。
図で表すと、
このようになり、新しく混ざり合った均等な濃度となるはずです。また、この濃度は6%~11%の間になるはずです。
図形が変わった場所に注目
元々の長方形が2つ合わさった図形に比べて変化した部分に注目します。
底辺が200g の食塩水は青色部分が増えています。
底辺が300g の食塩水は赤色部分 が減っています。
ポイント!! 食塩の量は変わらない!!!
全体の食塩の量は変わっていないので、青色部分と赤色部分の面積は等しくなります。
大事なのでもう一度言います!!
食塩水を混ぜると、濃度は変わるが、食塩の総量は変わらない。よって、増えた青色部分と減った赤色部分のは同じ面積。
図形の面積に注目して計算する
食塩水の事は忘れて、図形の面積問題として考えます。
青長方形と赤長方形の横辺の比は 200 : 300 = ② : ③
求めたいのは、青長方形と赤長方形の縦辺です。
青長方形と赤長方形の面積は等しいので、縦辺の長さの比は横辺の長さの比の逆比となります。
※ 逆比については、次の投稿をご参考ください → [Link] 逆比とは、比を逆にすればいいの?
よって、青長方形と赤長方形の縦辺の長さの比は 3 : 2 となります。
縦辺の長さの合計は 11 – 6 = 5(%) であるので、青長方形の縦辺 は $$5 \times \frac{3}{3 + 2} = 3 $$(%) となります。
よって、求める 濃度は、元々の縦辺 6% に加えて、6 + 3 = 9(%) となります。
まとめ
スーパー天秤法
食塩水の濃度と重さを天秤として、天秤がつり合うように計算する
食塩水の問題は、このスーパー天秤法を使ってほとんどの問題が、スピーディーに解けます。
なれるまでは、何度も 同じような 問題を解いてくださいね♪
★ スタンダードの解答に間違いがあり、訂正いたしました。(こちらの 投稿は 訂正済みとなります)ご指摘下さりありがとうございました。