等差数列の和の公式は覚えずに、自分で15秒で作ろう♪

4, 10 ,16, 22, 28, ・・・・・ のような等差数列があります。78番目までの和はいくつですか
知りたがり
等差数列の和の公式忘れちゃった…
算数パパ
公式を忘れても、解けるようになろう!
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等差数列の公式

算数での公式

初項:1番目の数は、4

等差:それぞれの差は、6(=10-4)

項数:数字は、78個並んでいる

$\begin{eqnarray}
\textcolor{red}{78番目までの和} &\textcolor{red}{=}& \textcolor{red}{\frac{\displaystyle 項数\times\{2\times初項+(項数-1)\times等差\}}{\displaystyle2}\dots公式}\\
&=& \frac{\displaystyle 78\times\{2\times4+(78-1)\times6\}}{\displaystyle2}\\
&=&18330
\end{eqnarray}$

数学での公式

初項$a$・項差$d$・項数$n$ である等差数列の和$S_n$は

$\textcolor{red}{S_n=\frac{\displaystyle n\{2a+(n-1)d\}}{\displaystyle2}}$

また、初項$a$・末項$l$・項数$n$が分かれば、この等差数列の和$S_n$は

$\textcolor{red}{S_n=\frac{\displaystyle n(a+l)}{\displaystyle 2}}$

算数パパ
これは覚えきれませんね…
公式を使わず解きましょう

なぜ公式ができるのか

簡単な例題で解説

1,2,3,4,5,6,7,8,9,10 の和を求めよ

1,2,3,4,5,6,7,8,9,10 は、1から始まる 等差 1 の 等差数列とも言えます。

この等差数列のを求めるには

$1+2+3+4+5+6+7+8+9+10$ を計算

計算を簡単にする方法

中学受験算数・等差数列

  • 和が10になる 組 (1,9 ) ( 2,8 ) ( 3,7 ) ( 4,6 ) を作ると、その和は$10\times4$
  • 残りは 5 と 10
  • $10\times(4+1)+5=55$

もっと簡単な計算方法

1+2+・・・+9+10 を 逆順に書いて並べます

中学受験算数・等差数列

順番を変えただけですので、上の式と下の式の答えは一緒になります

次に この2つの式を 縦方向で足します

中学受験算数・等差数列

すると…
$1+10=11$
$2+9=11$
$\vdots$
$10+1=11$
縦方向で足した答えは 全て $\textcolor{red}{11}$ となります。

この $\textcolor{red}{11}$ が $1\sim10$まで$10$個 あるので

$11\times10=110$

これは、元々の $1\sim10$までの和 の2つ分なので、$1$つの式の和は2で割って

$110\div2=\underline{\textcolor{red}{55}}$

数学の公式と比較してみる

$S_n=\frac{\displaystyle n(a+l)}{\displaystyle 2}$
(初項$a$・末項$l$・項数$n$)

等差数列の和の計算方法

  1. 等差数列を逆順で書いて並べ、縦を足す
  2. その時 縦の和は 最初の数(初項)と最後の数(末項)の和になっている
  3. その縦の和を、等差数列の数(項数)だけ掛ける
  4. 求めたい式の2個分 なので、最後に 2で割る

という、算数の考え方をまとめて数式で表しただけです。

つまり、公式を覚えてなくても 等差数列の和は求めることが出来ます

例題の解説

4, 10 ,16, 22, 28, ・・・・・ のような等差数列があります。78番目までの和はいくつですか

78番目を計算する

[Link]等差数列は植木算かもしれない!?で詳しく説明していますので、式だけ書くと $78$番目は、

$4+6\times(78-1)=466$

たし算をひっくり返して並べる

つまり、$78$番目までの和とは、 $4+10+16+\dots+460+466$の和となります。このたし算を計算するために、順番をひっくり返します

中学受験算数・等差数列

縦の和は、

$4+466=470$

この縦の列は、$\textcolor{red}{78}$ ありますので、その合計は

$470\times78=36660$

この数値は 求めるべき$4+10+16+\dots+460+466$の$2$個分ですので、求めるべき$78$番目までの和は、2で割って

$36660\div2=18330$

式をまとめる

計算式をまとめて書くと、

$\{4+6\times(78-1)+4\}\times78\div2$

これは、数学の公式

$S_n=\frac{\displaystyle n(a+l)}{\displaystyle 2}$
(初項$a$・末項$l$・項数$n$)

と同じ計算をしていることとなります。

まとめ

結論として、等差数列の和の公式は覚えなくても良いです。それよりも、一つ一つ計算をして答えを出す力が大事です。

算数パパ
等差数列の和の公式覚えない!
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