等差数列の公式
算数での公式
初項:1番目の数は、4
等差:それぞれの差は、6(=10-4)
項数:数字は、78個並んでいる
$\begin{eqnarray}
\textcolor{red}{78番目までの和} &\textcolor{red}{=}& \textcolor{red}{\frac{\displaystyle 項数\times\{2\times初項+(項数-1)\times等差\}}{\displaystyle2}\dots公式}\\
&=& \frac{\displaystyle 78\times\{2\times4+(78-1)\times6\}}{\displaystyle2}\\
&=&18330
\end{eqnarray}$
数学での公式
初項$a$・項差$d$・項数$n$ である等差数列の和$S_n$は
$\textcolor{red}{S_n=\frac{\displaystyle n\{2a+(n-1)d\}}{\displaystyle2}}$
また、初項$a$・末項$l$・項数$n$が分かれば、この等差数列の和$S_n$は
$\textcolor{red}{S_n=\frac{\displaystyle n(a+l)}{\displaystyle 2}}$
公式を使わず解きましょう
なぜ公式ができるのか
簡単な例題で解説
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10 は、1から始まる 等差 1 の 等差数列とも言えます。
この等差数列の和を求めるには
$1+2+3+4+5+6+7+8+9+10$ を計算
計算を簡単にする方法
- 和が10になる 組 (1,9 ) ( 2,8 ) ( 3,7 ) ( 4,6 ) を作ると、その和は$10\times4$
- 残りは 5 と 10
- $10\times(4+1)+5=55$
もっと簡単な計算方法
1+2+・・・+9+10 を 逆順に書いて並べます
順番を変えただけですので、上の式と下の式の答えは一緒になります
次に この2つの式を 縦方向で足します
すると…
$1+10=11$
$2+9=11$
$\vdots$
$10+1=11$
縦方向で足した答えは 全て $\textcolor{red}{11}$ となります。
この $\textcolor{red}{11}$ が $1\sim10$まで$10$個 あるので
$11\times10=110$
これは、元々の $1\sim10$までの和 の2つ分なので、$1$つの式の和は2で割って
$110\div2=\underline{\textcolor{red}{55}}$
数学の公式と比較してみる
$S_n=\frac{\displaystyle n(a+l)}{\displaystyle 2}$
(初項$a$・末項$l$・項数$n$)
等差数列の和の計算方法
- 等差数列を逆順で書いて並べ、縦を足す
- その時 縦の和は 最初の数(初項)と最後の数(末項)の和になっている
- その縦の和を、等差数列の数(項数)だけ掛ける
- 求めたい式の2個分 なので、最後に 2で割る
という、算数の考え方をまとめて数式で表しただけです。
つまり、公式を覚えてなくても 等差数列の和は求めることが出来ます。
例題の解説
78番目を計算する
[Link]等差数列は植木算かもしれない!?で詳しく説明していますので、式だけ書くと $78$番目は、
$4+6\times(78-1)=466$
たし算をひっくり返して並べる
つまり、$78$番目までの和とは、 $4+10+16+\dots+460+466$の和となります。このたし算を計算するために、順番をひっくり返します。
縦の和は、
$4+466=470$
この縦の列は、$\textcolor{red}{78}$個 ありますので、その合計は
$470\times78=36660$
この数値は 求めるべき$4+10+16+\dots+460+466$の$2$個分ですので、求めるべき$78$番目までの和は、2で割って
$36660\div2=18330$
式をまとめる
計算式をまとめて書くと、
$\{4+6\times(78-1)+4\}\times78\div2$
これは、数学の公式
$S_n=\frac{\displaystyle n(a+l)}{\displaystyle 2}$
(初項$a$・末項$l$・項数$n$)
と同じ計算をしていることとなります。
まとめ
結論として、等差数列の和の公式は覚えなくても良いです。それよりも、一つ一つ計算をして答えを出す力が大事です。